Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; Qulo, D.*; et al.
Journal of Geophysical Research; Atmospheres, 123(20), p.11748 - 11765, 2018/10
被引用回数:40 パーセンタイル:85.28(Meteorology & Atmospheric Sciences)福島第一原子力発電所事故により放出されたCsの大気中の挙動を理解するため、大気拡散モデル相互比較が実施され、12モデルが参加した。モデルで考慮される過程に起因するモデル間の差異に焦点を当てた解析を行うため、全モデルで同じ気象場、水平分解能、及び放出源情報が使用された。モデルアンサンブルによる観測された大気中Cs濃度上昇イベントの捕捉率は40%であり、FMSは80を超えた。解析の結果、大気中Cs濃度上昇イベントの再現には気象場が最も重要な要素であり、気象場の再現性が高い場合のモデル間の差異は、沈着及び拡散過程に起因していることが分かった。また、沈着フラックスが小さいモデル及び拡散が強いモデルは高い性能を示したが、拡散が強いモデルは大気中Cs濃度を過大評価する傾向を示した。
太田 雅和; Kwamena, N.-O. A.*; Mihok, S.*; Korolevych, V.*
Journal of Environmental Radioactivity, 178-179, p.212 - 231, 2017/11
被引用回数:14 パーセンタイル:43.57(Environmental Sciences)環境中トリチウム移行モデルは有機結合型トリチウム(OBT)が組織自由水中トリチウム(TFWT)から直接形成されると仮定している。一方、植生中OBT/TFWT比は一定でないことが観測されている。本研究では2つのトリチウム移行モデル(CTEM-CLASS-TT及びSOLVEG-II)の計算値及びトリチウム放出施設近傍での野外実験の観測値の比較を行った。野外実験では3つの異なる灌漑(灌漑なし、低トリチウム水による灌漑及び高トリチウム水による灌漑)が施され、得られたトリチウム移行の差異は土壌から葉へのトリチウム輸送が葉内OBT/TFWT比に及ぼす影響に関する知見を与えるものであった。灌漑なし及び低トリチウム水による灌漑では、葉のTFWT及びOBT濃度の計算値は施設起因のトリチウムプルームの通過に対応した経時変化を示した。高トリチウム水による灌漑下では、土壌中の高濃度トリチウムの影響により、葉のTFWT濃度が高く維持され、OBT濃度はこのTFWT濃度と平衡となり、プルームの通過に関係なく高い値が保たれた。以上より、土壌中トリチウム濃度が高い状況では、土壌から葉へのトリチウム輸送の効果により、大気中トリチウム濃度に関係なく葉のOBT/TFWT比が決まることが明らかとなった。このことはトリチウムの経口摂取による被ばくを正確に評価するためには、トリチウム移行モデルは土壌から葉へのトリチウム輸送を厳密に考慮する必要があることを示している。
斎藤 公明; 永井 晴康; 木名瀬 栄; 武宮 博
日本原子力学会誌ATOMO, 59(6), p.40 - 44, 2017/06
福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故の進展と放射線物質の放出・大気拡散・沈着過程の解明が、シミュレーションおよび環境測定データの解析により進められている。大規模環境調査により福島周辺における放射線環境の経時変化等の特徴が明らかになりつつあり、この知見に基づいて空間線量率の分布状況変化モデルが開発され将来予測に活用されてきた。事故後に測定された種々の環境測定データは集約され、データベースを通して簡単な解析ツールとともに継続的に公開されている。これら一連の取り組みについて概説している。
三上 智; 松田 規宏; 安藤 真樹; 木名瀬 栄; 北野 光昭; 川瀬 啓一; 松元 愼一郎; 山本 英明; 斎藤 公明
Radioisotopes, 64(9), p.589 - 607, 2015/09
福島周辺における空間線量率や放射性核種沈着量の地域的分布及び経時変化の特徴について、様々な手法による大規模環境調査の解析結果に基づいて紹介する。また、除染モデル実証事業後の継続的な環境測定結果を基に、除染効果の継続性に関する議論を行う。さらに、土地利用状況ごとの環境半減期の解析結果、及びこれをベースにした空間線量率の将来予測の例について紹介する。
寺田 宏明; 茅野 政道
Proceedings of 2nd International Conference on Radioactivity in the Environment, p.15 - 18, 2005/10
原子力緊急時において放射性物質の大気拡散のリアルタイム予測を行う計算モデルは非常に有用である。発表者らはこれまで緊急時環境線量情報予測システムSPEEDIとその世界版WSPEEDIを開発してきた。従来のWSPEEDIは質量保存風速場モデルWSYNOPと粒子拡散モデルGEARNから構成されていた。WSYNOPは診断型モデルであり気象場を予測することは不可能であるため、予測精度及び解像度が入力気象データに依存し、また鉛直拡散及び降雨沈着過程の詳細な考慮が不可能であった。これを改良するために大気力学モデルMM5を導入した。この改良版WSPEEDIを1986年に発生したチェルノブイリ原子力事故に適用し、数値モデルの予測性能の検証を行った。CASE-1:ヨーロッパ全域を含む広域計算と、CASE-2:広域とチェルノブイリ周辺域での2領域ネスティング計算の2ケースの計算を行った。CASE-1の計算結果よりCsの大気中濃度と地表沈着量を水平分布図及び統計解析で測定データと比較した結果、ヨーロッパスケールでの輸送の挙動をよく予測できていた。CASE-2の計算では、領域ネスティング計算によりCASE-1の広域計算では計算不可能であった詳細な沈着量分布を予測することができた。
寺田 宏明; 茅野 政道
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(7), p.651 - 660, 2005/07
被引用回数:18 パーセンタイル:74.92(Nuclear Science & Technology)本研究の第1報(Terada 2004)では、世界版緊急時環境線量情報予測システム「WSPEEDI」の改良版が大気力学モデルMM5とラグランジュ型粒子拡散モデルGEARN-newとのモデル結合により開発され、チェルノブイル原子力事故への適用計算によって大気中Cs濃度の予測性能について数値モデル(MM5/GEARN-new)の妥当性が示された。第2報である本論文では、このMM5/GEARN-newの予測性能評価をチェルノブイル原子力事故時のヨーロッパ域における降水量及び地表Cs沈着量の測定値を用いて行った。計算結果が測定値と比較された結果、MM5/GEARN-newは氷相過程を考慮した雲物理スキームにより高精度な降水量が予測された場合、ヨーロッパスケールでの沈着量分布を良い精度で予測することができた。さらに、ネスティング機能を用いてチェルノブイル周辺域についての高解像度計算が行われた。この結果、MM5/GEARN-newは従来の計算モデルでは計算できなかったチェルノブイル周辺での詳細なCs沈着量分布を現実的に予測することができた。
寺田 宏明; 古野 朗子; 茅野 政道
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(5), p.632 - 640, 2004/05
被引用回数:22 パーセンタイル:79.11(Nuclear Science & Technology)国外の原子力事故によって放出された放射能の国内の公衆への影響を予測するために、世界版緊急時環境線量情報予測システム「WSPEEDI」が開発されてきた。WSPEEDIは、3次元風速場診断モデル「WSYNOP」と粒子拡散モデル「GEARN」によって構成されている。この従来版WSPEEDIの短所は以下の通りである。(1)多様なスケールを持つ複数の領域についての同時計算が不可能である。(2)大気境界層の取り扱いが単純であり、混合層の時・空間変化が考慮されていない。(3)降水の3次元構造が湿性沈着過程に考慮されていない。これらの問題を改善するため、複数領域の詳細な気象場を同時に予測して粒子拡散モデル「GEARN-new」に提供することが可能な大気力学モデル「MM5」が導入された。この改良版WSPEEDIを検証するため、1986年にチェルノブイリ原子力発電所で発生した事故への適用計算が行われた。地表Cs濃度の計算結果と測定値を比較したところ、ヨーロッパ域での放射能の拡散が精度よく再現されたことが示され、改良版WSPEEDIの妥当性が確認された。
片岡 勲*; 松浦 敬三*; 吉田 憲司*
JAERI-Tech 2002-015, 83 Pages, 2002/03
シビアアクシデントの伝熱流動現象の素過程としての微細液滴流の挙動を明らかにするため、液滴流,環状噴霧流についての現象のモデル化並びに数値シミュレーション手法の確立を行うとともに環状噴霧流の乱流構造についての実験的な研究を行った。液滴挙動のシミュレーションについては、まず、乱流中での液滴挙動計算手法として従来から広く用いられているEddy interaction modelに近年Grahamらが提案している渦寿命及び渦大きさに関する確率モデル及びほかの改良モデルを取り入れることより精度の高い液滴挙動解析コードを開発した。また、従来、おもに噴霧流においてのみ行われてきた液滴挙動解析を環状噴霧流も扱うことができるように、流体解析における境界条件として攪乱波を考慮した液膜の取扱、液膜からの液滴発生と乱流拡散による液膜への液滴伝達、さらに液滴の発生と伝達を考慮した液膜流量計算を同時に評価する手法を開発した。さらに液滴挙動解析のシミュレーションプログラムを複雑な幾何学的体系,初期条件,境界条件に適用し解析を行い、実際の原子炉のシビアアクシデント時解析に適用可能であることを示した。環状流,環状噴霧流における液膜流量,液膜厚さが、気相の平均速度分布,乱流速度分布に及ぼす影響についての実験的研究を行った。環状流における乱流速度分布については、気相単相流にくらべ管断面全域で大きな値を示し、液膜の存在により気相乱流は大きく増加することが明らかとなった。また気相乱流の増加の度合いは液相流量に対する気相流量の割合が多くなるに従い増加した。
野口 宏
プラズマ・核融合学会誌, 73(12), P. 1360, 1997/12
原研が開発した環境中トリチウムによる公衆被ばく線量評価モデル(TRIDOSE)の概要を紹介した。TRIDOSEは大気中に放出されたトリチウムガスやトリチウム水の大気拡散、土壌や植物への沈着、土壌中移行、大気への再放出等をモデル化しており、吸入摂取や経口摂取による被ばく線量が計算できる。本特集では計算結果の例も紹介した。また、現在進められている核融合実験炉の安全評価用のトリチウム被ばく線量評価コードの開発にも触れた。
石川 裕彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(9), p.969 - 978, 1994/09
被引用回数:7 パーセンタイル:56.56(Nuclear Science & Technology)緊急時環境線量情報予測システム世界版(WSPEEDI)の計算モデルの改良を行った。改良版は、地形準拠高度座標に準拠して構成されている。これらのモデルは、計算制御ソフトウェア、世界地形データベース、気象データ前処理機能、図形出力ソフトウェア等と統合され、計算コード体系として完成された。さらに、IAEA,WMO,CECの共催で実施されたATMES(大気拡散モデル評価研究)において供給された、信頼度の高い放出源情報、気象場、包括的なモニタリングデータを用いた適用計算を実施して、コードシステムの性能検証を行った。
Ezzidi, A.*; 大久保 努; 村尾 良夫
JAERI-M 93-133, 39 Pages, 1993/07
0.5MPaより低圧力下での液滴の発生・沈着現象に対するCOBRA-TFコード予測能力を改良するため、前報での検討結果に基づいて、コードで使用されている液滴の発生および沈着に対する相関式を変更した。菅原の相関式を導入して得られた計算結果は、参照した実験データに対して以前の結果よりはるかに良好な一致を示すようになったものの、まだ20%程度の範囲で相違があった。実験データとのより良い一致を得るため、液滴の発生に対する新たな相関式を導出した。この新相関式は、菅原の相関式に更にもう一つの因子を付加したものであり、この因子は、液膜の流動並びに蒸気と液膜の相対的な流動に対する2つのレイノルズ数の関数になっている。この新相関式を用いて得られた計算結果は、広い範囲の流動条件下で実験データと良好な一致を示し、液滴の発生・沈着現象に対するCOBRA-TFコードの予測能力が大きく改善された。
大久保 努; Ezzidi, A.*; 村尾 良夫
JAERI-M 93-069, 115 Pages, 1993/03
COBRA-TFコードを液膜ドライアウト現象の解析に利用いるに先だって、本コードの液膜噴霧流におけるエントレインメント発生および沈着のモデルに対する検証計算を実施した。対象とした実験は、単管のテスト部を用いた基礎的な実験である。計算値は、3.4および6.9MPaの高圧条件下での実験データとは良い一致を示したものの、0.24~0.45MPaの低圧条件下での実験データとは大きな相違を示した。本報告書では、計算結果とともにCOBRA-TFコードで使用されているエントレインメント発生および沈着モデルについての詳細な検討を示す。本検討によれば、COBRA-TFではWuertzによって提案された相関式が使用されているが、これは主として3~9MPaという高圧領域で実施された彼の実験のデータに基づいて開発されたもので、低圧力領域では高圧力の場合とは大きく異なってくる密度の効果を考慮していないことが上記の相違を生ずる主たる理由と考えられる。
村田 幹生; 野口 宏
日本原子力学会誌, 34(2), p.149 - 152, 1992/02
被引用回数:2 パーセンタイル:43.73(Nuclear Science & Technology)元素状トリチウム(HT)の放出に伴う環境被曝線量を精度よく予測計算するにあたって不可欠な、HTガスの土壌内拡散係数D及び土壌内におけるHTからHTOへの転換速度定数Kの推定を行った。カナダにおけるHTガスの野外放出実験で実測したHTガスの空気中濃度、沈着速度及び土壌内HTO沈着量分布データと、理論式によって予測されるHTOの沈着量分布との比較から、最もよく再者がフィットするDとKの最尤推定値をもとめた。細砂ローム土壌にたいするKは2.410s、Dは1.810m/s、粗砂土壌にたいするKは3.210s、Dは1.810m/sであることが明らかになった。
松井 浩; 野口 宏
エアロゾル研究, 7(4), p.346 - 355, 1992/00
エアロゾルサンプリング用水平管内のエアロゾル粒子沈着の式を、前報の垂直管における沈着式に用いた粒子の自由飛行モデルに関する仮定及び実効乱流拡散係数を適用して誘導した。また、誘導にあたって乱活コア内の粒子運動と渦運動とのずれに対する補正係数を導入し、乱流コア内の粒子運動に対するレイノルズ相似則の適用を一層合理的なものにした。誘導した沈着速度式から求めた計算値は文献における実験値とよく一致した。